2008年10月1日水曜日

司馬遼太郎先生からの伝言 【伝統の中の宝の蔵】


老舗果物店【中央班】千疋屋総本店大島社長、京橋千疋屋谷副社長、高島屋果山の皆さんとの、山村の【伝統食】を食べる交流会、高知県入河内村の皆さんと。
 
私達のNPO活動は、昨年からです。
タレントが紹介するテレビのグルメ番組が本当の贅沢なのか・・・という疑問。
 日本人が営々と守ってきました、伝統野菜や果物、食生活が絶えていこうとしていることに疑問を持ち、今守らないと絶えてしまうと、仲間が集まり活動を始めました。
 今、農業や食料が危機的な状態でいろいろな問題が次々と起っています。
私達は真剣にそのことを考えて、次の世代に何を残すかを考える必要があると思います。

司馬先生が残してくれました、日本人への伝言です。
<伝統の中の宝石の蔵>作家 司馬遼太郎 1977年
 ここ十数年、政治と言う概念を超えたほどに巨大な国家運営が、大胆すぎる取捨てをおこなったために、農業を惨憺たる状況に変えた。  「工業製品を外国に買ってもらう。そのかわりに、外国の農業製品を買う」という国家運営の基本構造が正しかったかどうか、後世の評価に待たなければならないが、ともかく、この基本構造の中で、農業(農政、農業経営、さらには農業技術までふくめて)は、歪曲と変形、変質を強いられ、それが社会に対しあらゆる意味での即応を不可能にしたばかりか、生産の基本というべき二千年来のモラルまでかきまわしてしまった。  この凄惨な状況から農業を救いだす道はいくつかあるかもしれないが、まだ一部の賢者の意見にすぎない。もっと多数の農民・非農民が、伝統のなかの知恵という宝石の蔵である古農書を検討し、そこからすぐさま何を得るというよりも、まず検討を仕直すという姿勢をとるところから再出発する必要があるのではないか。

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