2008年12月18日木曜日

NPOが目指すこと、未来に残す日本の宝。

  安芸市の山村に残されている、百年の古木柚子
安芸市の山奥に残されている、百年の実生柚子は高知県だけではなく日本の宝です。世界に約三千本しかないといわれています、今ヨーロッパからも実生の柚子の注文が来ています。しかし毎年、高齢化による過疎で放棄地が増えています。
 我々NPOはその調査と保護活動に2年前から取り組みを始めました。

下に添付している資料は、NPO地域支援農業サロンが昨年事業計画として、国土交通省の支援事業に応募の内容です。

しかしなぜか地元の安芸市の推薦が得られず・・・、応募は取り下げましたが調査と事業は継続して進めていて。実生柚子の古木の放棄地を調査して、圃場をまとめて事業としての農業法人や企業、新規就農に引き継いでいくことを進めています。
 高知県の産業振興計画の委員長受田高知大副学長や知事のブレーンなどにもその内容を相談して進めていますし、具体的にも新規就農をスタートして受け入れの案内をしています。
 11日の県議会での知事答弁で、【不況による失業者を農業、魚業など一次産業に受け入れるために、農地と空き家、技術習得をセットにした迎え入れる仕組みを検討している・・・】との内容はまさに我々の進めていることと同じです。

しかし、この百年に一度の大不況で日本の社会や産業構造が変わろうとしているとき、日本人には危機意識が薄いです。今私達の身近にある資源を残す活動こそ、日本が新たに力を取り戻すこととなるのです。

【国土交通省に提出した応募資料】
 高知県安芸市入河内集落、48世帯、人口約100人高知県安芸市入河内地区において、かつての基幹産業であった林業の衰退により人口流失が著しく、高齢化が進行したことにより、ピーク時に比べて人口が半減し、地区内にある唯一の小学校の在校生は4人と廃校寸前の状態であり、典型的な中山間の限界集落で、コミュニティの活力低下が大きな課題となっております。
 百年以上の【実生柚子】の木は世界に2500本ほどしかないといわれていますが、そのほとんどが安芸市周辺のこの地区にあります。また江戸時代以前から入河内地区伝わっています【入河内大根】が残っております。しかし集落の高齢化と過疎のために管理ができなくなりつつある【実生柚子】の放棄地の保護、【入河内大根】の保護、伝統野菜【入河内大根】や【実生柚子】を特産品として売り出し、祖先が代々守ってきた川や山や中山間の農地、実生柚子や入河内大根などの伝統的な農産物を守り伝えていく活動を通じて、地域に対しての誇り、内外の人材との交流、定住人口の拡大を図り、地域に愛着を持つ者が新たな担い手になることを目指すようにいたします。
① 地域支援農業サロンが中心となって。市や県、JAなど連携して伝統野菜【入河内大根】や【実生柚子】の「種子」の選別や保存、入河内地区の団体との料理レシピ作り、【入河内大根】や【実生柚子】、それらを利用したものを特産品として売り出しをする運営システムの構築を図るようにいたします。
② 入河内地区を訪れる人が短期間の滞在で効率よく、かつ、健康的に入河内地区の魅力を体験でき
ように、一定の集客力のある農家民宿(浅春(せんしゅん))と隣の集落の温泉施設(こまどり)を核に地域の特色ある地域資源をめぐる森林浴散策コース作りをおこないます。
③ 地域居住や定住希望者の受け入れを促進するために、入河内地区の実態調査、空き家活用協力者の確保、交流体験事業の試行等により、古民家の有効利用を図ってまいります。
④ 安芸市、JA安芸と連携して入河内大根や実生柚子、お茶の収穫祭等のイベント、販売促進のイベントの企画等を行ないます。
 本事業は、入河内地区を活動拠点とする地域支援農業サロンが、行政のほか、東京農業大学農学部、人間植物関係研究室をはじめ入河内地区以外のさまざまの主体と連携・協働をしつつ、地域資源の積極的な活用により、交流・定住人口の拡大を図り、地域の文化や誇りを維持存続させようとする点で、地域の自立に貢献できる活動である。伝統野菜【入河内大根】や【実生柚子】の「種子」の選別や保存活動等の運営については、都市と山村との交流等の実施を通じて入河内地区サポーターの拡大等により、持続可能な活動にしてまいります。
 また、本事業は、人口減少や高齢化により文化・伝統の維持存続を図ることが困難な地域が全国に多く存在すると考えられることから、その結果はこうした地域の今後の取り組みにも参考となりうるものであるため、モデル性があります。
(住民との関係)
・地域支援農業サロンの活動を通じて、入河内地区のグループ(実生柚子の保存と活用)、入河内大根を守る会と日頃から住民との意見交換等を行っていますが、今後は、地域資源の活用や空き家の調査などで連携・協働していく予定です。
(行政との関係)
・安芸市の広報活動と連携した情報発信をしていく予定です。
(東京農業大学農学部人間植物関係研究室との関係)
・ 東京農業大学農学部の教員3名、学生25名と入河内地区住民の交流会を平成19年12月に入河内公民館にておこないました、継続して東京農業大学農学部の学生の山村農業のインターシップを平成20年10月に予定、活動全体を通じて、企画面でサポートしていただきます。
(東京・老舗果物専門店グループ「中央班」との関係)
・東京都心部の老舗の果物専門店のグループで「中央班(会長・大島博千疋屋総本店代表取締役)」
の7社、11名(千疋屋総本店、京橋千疋屋、㈱キヨタ、果山、フルーツいまの、フルーツあすなろや、京急ストアー)の代表取締役と入河内地区住民の交流会を、平成20年5月に入河内公民館にておこないました、継続して企画面でサポートしていただく予定です。
(農産物直販所との関係)
・入河内地区や安芸市の特産品を利用して開発した新製品の販売や、森林浴散策コースの休憩所や農家レストランの設置に協力を求めていく予定であります。
1. 本事業の実施により、交流・定住人口が増加し、それに伴って伝統野菜【入河内大根】や【実生柚子】の保護活動や販売の担い手やサポーターも増加することが期待されます。事業終了以降についても、伝統野菜【入河内大根】や【実生柚子】の保護活動や販売や、伝統的な農産物を守り伝えていく活動を通じて、地域に対しての誇り、内外の人材との交流、定住人口の拡大を図り、地域に愛着を持つ者が新たな担い手になることのコミュニティ活動を継続させるように努めてまいります。
安芸市入河内地区の山を越えた隣には、村おこしの成功例として全国的に有名な【馬路村】、高知県のブランドの鳥として有名な【土佐ジロー】の畑山地区、上流には伊尾木川ダム、下流の安芸市街地には阪神タイガースがキャンプを行う野球場、岩崎弥太郎の生家や観光名所の野良時計などがあります。
しかしすべて点として存在しております、これを線としてつないで多様な主体との連携をさらに強化して、いっそうの情報発信に努めてまいります。
 安芸市内から伊与喜川沿いに入河内地区を通り、国道195号線(土佐中街道)につながっている道路は、国道195号線(土佐中街道)から高知県東部につながる唯一の道路ですが、本事業の実施により、江戸時代から利用されてきた道路を守り、新たな利用へと努めてまいります。
また、高知市から安芸市、室戸市へとつながる国道55号(土佐東街道)は一つしかなく、また海岸を通っているので、台風や土砂崩れ、事故が起れば渋滞や通行止めとなります。
50年以内に必ず来るといわれている、南海大地震のときのためなど、今後地域支援のための連携と情報発信に国道55号(土佐東街道)の調査に努めてまいります。

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