2008年11月6日木曜日

日本の食の安全を守る窓は【こっそり忍び込めるかも】 安全に甘い市場か?


 高知県での山地酪農、美味しい牛乳はこんな風景から生まれます。

日経新聞の【食の安全を守る「扉」】(編集委員太田泰彦)から。

中国産の乳製品や卵からメラニミンが次々と検出された。製品回収、代金返送、そして謝罪、食材を輸入に頼る日本食品・外食企業ができる対応はかぎられている。いずれも事件が起きた後の対処療法にすぎない。
 【安全基準は超えているが、健康への影響は考えにくい】企業の記者会見でよく聞く発言だ。矛盾を含んだ説明ではないか。そもそも誰が、何のために、何を定めた基準なのだろう。
 現実の日本の食品安全の体制は、多くの消費者がいだく像から、かけ離れている。食品に含まれるメラミンの量を規制する【安全基準】は、実は日本には存在しない。企業が事あるたびに口にする基準とは、米食品医薬品局(FDA)と欧州食品安全機関(EFSA)の値を示している。
 FDAとEFSAは、すでに昨年の五月と六月にの時点で、それぞれ身体に影響を及ぼす可能性がある基準を公表している。メラミンを名指しして有毒物資であると警告し、ぴしゃりと【扉を閉ざす】制作といえる。
 日本の食品衛生法で食品添加物の基準を定めている。ところがメラミンは、本来なら食品に添加される化学物質ではない。厚生省の関係者は「まさか食品に添加されるとは考えていなかった」と明かす。
 メラミンの名は認定された食品添加物のリストにない。だから基準値もない。・・・問題の本質は【卵】の中に隠されている。10月に入り乳製品だけでなく鶏卵からもメラミンが検出された。固い殻を通して「添加」するはずはない。鶏が食べた餌から来て、初めから卵に入っていたに違いない。
 「添加物」でないから、食品衛生法の違反は問えない。添加物リスト以外の有害物質について、明確な規制や基準がない日本。
中途半端な【半開きの窓】の落とし穴がここにある。・・・厚労省の通達は強制力のない欧米の先例にならった借り物である。
 海外から見た日本は製品の輸出国としては一流。・・・輸出先として眺めた日本の食品業界の姿は違う。日本人自身が気づかぬうちに、【安全に甘い市場】というメッセージを発しているとすれば恐ろしい。

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