2008年11月24日月曜日

高知の伝統野菜【お大師なす】と昔のなす料理。

 昔の土佐の伝統野菜や食事についての昭和初期の調査資料に、【なすのそうめん煮】についての記事があります。
【なすは、夏のおかずに毎日といっていいくらい出す。煮る、焼く、あえる、そのうちそうめんとの炊き合わせは、年寄りも子供も喜んで食べる。とろりと喉をこすが快くて、どの家でも好物料理に入れられる。】その料理に使われていた土佐の伝統野菜のナス。
 大師ナス(江戸時代からのお大師ナスや弘法さんのナスと呼ばれていたらしい)、今の硬くて味ないナスではなく、柔らかくて甘いナスです。
全国一のナスの産地、安芸市で生産されているナス(日本で7割も生産されている品種、千両ナス)のように硬くならず、豊産制で美味しい。寒さと病気に強い。
 弘法大師が伝えたという言い伝えがありますが、その由来、伝来はさだかではないが、江戸時代には土佐で栽培されていたようです。
 品種の特性(J.S.T私見解)として、宮崎県の伝統野菜【佐土原ナス】の系統で、高知でその土地にあったものとして、長い年月で選抜されたもと思います。
佐土原ナスは熊本長ナス、松山長ナス、家康のお国替え命令で新潟に伝わり、【新潟焼きナス】となってその美味しさから全国に種が伝わり、【焼きなす】という言葉の語源となったナス。
高知には【十市小ナス】という伝統野菜のナスもあります。

「佐土原ナス」

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